インターネットガバナンス・タスクフォース Internet Governance Task Force of Japan

意見書最終版 (2004年9月13日)

意見書 最終版(PDF)

インターネットガバナンス・ワーキンググループ(WGIG)
9月20-21日コンサルテーション会合への意見書(案)
2004年9月13日

インターネットガバナンス・タスクフォース(IGTF)

はじめに
インターネットガバナンス・タスクフォースは、インターネットの急激な普及を受けて、WSISが提起したインターネットガバナンス・ワーキンググループ(WGIG)の活動に参画し、現在の民間主導の体制を維持発展させていくことを通して社会的に安心・信頼できるインターネットの運用管理・利用の体制を国際的に確立することを目指し、日本のインターネットコミュニティおよび産業界の組織・団体・個人の有志によって2004年8月に設立された共同グループです。
 私たちは、WSISのジュネーブサミットの共同宣言と行動計画によって採択された「完全で積極的な参加」というアプローチを支持します。私たちは、このWGIGのプロセスは国際社会がこの困難で重要な問題についての完全な合意を築くための素晴らしい機会を提供してくれるものと考え、ワーキンググループの構成員の皆さんとともに、生産的で建設的な結果を産み出するために、協力して取り組んでいけることに大きな意義を感じています。

1 取り組みの範囲
 WSISジュネーブ文書に記された目的を達成するために、WGは以下の任務を遂行すべきと考えます。
 a) インターネットの運用および利用において世界的な規模で検討する必要があると思わ
   れる課題の特定
 b) 基礎となる事実、参考となるデータや情報の収集
 c) すでに行われている活動の実態調査と、何が機能し、もしくは機能していないかについ
   ての評価およびその原因についての分析
 d) 重要度の整理
 e) 改善や新たな案の創出が必要と認められた分野での可能な選択肢や解決案の提示
 f)その場合に各分野の主体(政府、産業界、市民社会、国際機関)が果たすべき役割の
  提示。

 WGは、中核的または緊急の課題に集中的に取り組むべきで、すでに妥当な程度に取り組まれている政策関連の分野にまで拡張したり干渉したりすべきではありません。

2.基本原理

独立性
 ワーキンググループは国連事務総長の直接の管轄下にある独立した組織として構成されるべきです。ジュネーブサミットの結果、国連事務総長のこのワーキンググループの設置を依頼したそもそもの考えは、WSISの準備委員会における政府間の政治的な交渉の外側に独立したプロセスを提供しようというものだったと私たちは考えます。

客観的、合理的に
 このWGの本質は、政治的な交渉にではなく、インターネットガバナンスに関連する問題について客観的な調査を行うところにあると考えられなければなりません。WGの活動の結果は事実と技術的、経済的、社会的な合理性に基づくものであるべきで、政治的なバイアスにとらわれるべきではありません。

透明性
 私たちはWGが十分にオープンで透明性を確保した運営をすることを求めます。WGの公式会合の議事録やその他のアウトプットは主な言語で公開されるべきだと考えます。報告書の中間および最終段階での草稿は、寄せられたコメントの内容への考慮を反映すべきであり、またこれらのコメントがどう受け止められたかも説明すべきと考えます。

3 構成全般

1)構成について
 私たちは、WGは以下の多様な利害関係者のそれぞれの意見が十分に反映される構成とすることを求めます。
 a) 政府、産業界、市民社会、関連する国際機関
 b) 先進国と途上国
 c) 世界のすべての地域の人々
 d)  インターネット・サービスの利用者、提供者および運用者
 e) 男性および女性

 WGの大きさは、上記で求められる多様性とバランスを満たすのに十分なものであるべき一方、与えられた時間的制約を考えると、効果的、効率的に結果を生み出すためにはすべてを包含する大きすぎるものになるのは避けるべきです。
 効率性のためには15名から20名の委員を提案しますが、多様性を確保するためには、さらに15名から20名をそれぞれの専門分野における小委員会メンバーとして追加することを提案します。

 WGは各セクターから1名、合計3名の共同議長により共通の合意と効果的分業をもって構成されることを推薦します。

2)構成員の資質
 WGの構成員は下記の分野のいずれかの専門経験をもつことを条件とすることを提案します。
 a)技術分野
 b)政策分野
 c)インターネットの開発および運用
 d)インターネットによるビジネス開発
 e)社会分野
 f)途上国でのICTを応用した開発
 g)エンドユーザーの視点
 
彼らはWGの実務を誠実に実行するのに十分な時間を割くことができることと、WGの外側でのプロセスに参加する多くの関心をもつ人々とコミュニケートできることが求められます。
 私たちはまた、構成員の選定に際しては、それぞれの構成員が要求される特質にどのように適していると判断されたのかについての、簡単な説明が発表されることを望みます。

4 取り組み方法について

オープンおよびクローズドな会合
 WGは構成員同士での対面会合を活動の中核にし、電話会議、オンライン討論を補助手段とすることを期待します。実際の作業にあたっては、クローズドでの会合が集中して成果を出すために適した方法であることは理解しますが、各主要なWG会合の直前にオープンなコンサルテーション会合を開催することを強く薦めます。
 地域あるいはサブ地域でのオープンなコンサルテーション会合やその他のプロセスも推奨します。

言語
私たちは、言語の壁を超えて、最大限広範な人々の参加と相互理解を促進するために、以下の手段の採用を提案します。

a) リアルタイム速記とその表示
オープンコンサルテーション会合の際には、主要言語への同時通訳に加えて、作業上の言語を母語としない人々の理解を助けるために、ICANN会合で実施されているのと同様の、リアルタイムでの速記とその大画面への表示を行うこと。

b) 公式文書の翻訳
作業上の言語は英語(または主要な国連の言語)と予想しますが、公式の記録と文献は日本語を含む主要な言語に翻訳して提供されること。

c) すべての言語による意見書の受け付け
WGに寄せられる意見書は世界のいかなる言語でも受け付けられること。また、事務局はそれらを公式ウェブサイト上に原文のまま掲載し、かつ主要な言語に翻訳すること。

d)自発的な翻訳の共有プラットフォームの設置
もし上記の翻訳が予算上の制約によって困難な場合には、とくに重要と思われる意見書を事務局が適切な手段で選択した上で全文または要約版を翻訳し、それ以外の文書については、希望者が自発的に翻訳を行ない、ウェブ上で共有できるためのプラットフォームの設置すること。求められれば、より具体的な提案をする用意があります。

インターネットガバナンス・タスクフォース

会長 公文俊平(多摩大学教授)

正会員
財団法人インターネット協会
社団法人日本インターネットプロバイダー協会
社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター
株式会社日本レジストリサービス

特別会員
インターネット・ユーザーズ・ネットワーク
多摩大学情報社会学研究所
財団法人ハイパーネットワーク社会研究所
 (9月10日現在)

お問合せは、下記までお願いします。

事務局:財団法人ハイパーネットワーク社会研究所東京事務所内
電話:03-3402-8180  電子メール: sec@igtf.jp
ホームページ:www.igtf.jp
〒106-0032 東京都港区六本木6-15-21ハークス六本木ビル2F(9月30日まで)

(10月1日より下記に移転予定)
〒153-0064 東京都目黒区下目黒4-10-24多摩大学情報社会学研究所