インターネットガバナンス・タスクフォース Internet Governance Task Force of Japan

設 立 趣 意 書

 インターネットが広く普及し、ブロードバンドや携帯電話によるアクセスが日常的なものとなり、産業活動から市民生活まであらゆる分野に大きな影響力をもつようになりました。最近では迷惑メールやウィルス、個人情報漏洩、オンライン犯罪など、負の側面も増大しつつあります。また、著作権と情報の自由な流通、登録商標とドメイン名など、情報社会における新しい権利のあり方も問題となり、今後はユビキタス技術の発展普及とともに、さらに社会的問題の拡大・深刻化が予測されます。こうした事態を背景に、社会的に安心・信頼できるインターネットの運用管理・利用の体制の確立が求められ、いわゆるインターネットガバナンスをめぐる議論が高まっています。
 昨年12月にジュネーブで開かれた世界情報社会サミット(WSIS)では、国際的なインターネットガバナンスの体制をめぐって、政府・国連機関の関与を強めるべきだという意見と、これに反対する意見が鋭く対立し、途上国からはとくにドメイン名管理機関であるICANNのあり方への批判が集中しました。その結果、国連事務総長のもとでワーキンググループ(WG)を設置し、各国政府、産業界、市民社会の当事者がフルに参加し、インターネットガバナンスの定義、政府の関与のあり方を中心に検討し、2005年のWSISチュニジア会合までに結論を出すこととなりました。このWGは、今後のインターネットの運用管理・利用のあり方を大きく左右し、情報社会全般にかかわる重要な決定を行う可能性が高く、現在の民間主導の体制を堅持・発展させるためには、わが国も政府・産業界・市民の協調に基づいた積極的な関与が必要と考えられます。
 私たちは、インターネットのガバナンスは企業と市民・利用者が協調し、民間分野が主体となって推進し、政府はこれに協力・支援することを基本理念とすべきだと考え、この理念に基づいてわが国における実践を深め、その内容をモデル化し、国際社会の協調活動に反映させる「インターネットガバナンス・タスクフォース」が必要と考えます。そのなかで、政府による規制・管理強化を避けるためには、民間の自主的な活動の重要性を訴え、産業界に加えて市民社会・利用者側の積極的な参画・協力が重要と考えられます。
 このタスクフォースの活動を通して、インターネットがもつ、自律分散型で、技術革新と自由な利用を促進するオープンな基本特性をさらに発展させ、民間の活力を活かし、広く社会に貢献できるガバナンス形態を国際的にも実現することをめざしたいと考えます。

「インターネットガバナンス・タスクフォース」発起人一同

2004年8月